【白血病や癌】入院中に学んだ大切な習慣─体を動かすことも治療のひとつ

コトバ

闘病中、体調が安定しているときは、なるべく体を動かすように――
看護師さんたちは、よくそう声をかけてくれていました。

治療の副作用が強い日や熱がある日などはもちろん無理をしませんが、
少しでも元気なタイミングがあれば、立ち上がったり、軽く歩いたり、
できる範囲での運動をすすめられていたのです。

というのも、入院期間が長引き、ベッドの上での生活が続くと、
どうしても筋力が落ちてしまうからです。

特に「上下の動き」――階段の昇り降りや立ち座りといった動作は、
一見なんでもないようでいて、実はかなりの筋力を使っています。

退院後、思うように体が動かせなくなってしまったり、
段差でつまずいて転倒してしまったりするケースは珍しくありません。
だからこそ、「入院中から動けるうちに動く」ということが大切なんだと、何度も教わりました。

僕が入院していた病院は、無菌室ではなく“無菌病棟”だったので、
共有スペースにエアロバイクや踏み台昇降が用意されていました。
病棟内をゆっくり歩いたり、自転車をこいだり、階段の代わりに昇降運動をしたり。
無理のない範囲で、自主的に体を動かしている患者さんがたくさんいました。

特に印象的だったのは、高齢の患者さんたちの姿です。

本来なら、年齢的に筋力の回復が難しい世代の方々が、
「退院して自分の足で帰るために」と言って、毎日コツコツと運動していたのです。

その姿勢には、本当に頭が下がる思いでした。
そして、そんな前向きな姿に、僕ら若い患者もたくさん刺激を受けていたのだと思います。

「病気と闘う」と言うと、つい薬や治療のことばかりが浮かびがちですが、
動くこと・食べること・笑うこと、すべてが“治療の一部”なんですよね。

もちろん、無理は禁物。
でも、できるときに少しだけでも体を動かすことが、
「退院後の生活」を見据えた、もう一つの準備だと思います。

 

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