闘病生活が始まると、どうしても病室で過ごす時間が長くなります。
これまでのように自由に動けない日もあり、気持ちが沈んでしまう瞬間は何度も訪れるもの。そんな中で、私にとって心を整える大きな存在になってくれたのが 「音楽」 でした。
治療中は、普段よりも音楽を聴く時間が自然と増えます。
音楽には、落ち込んだ気持ちをそっと支えてくれたり、前に進む勇気を与えてくれたり、あるいは不安でいっぱいの心を静かに落ち着かせてくれる力があります。
特に、自分が昔から好きだったアーティストの曲は、不思議なほど気持ちを整えてくれます。
歌詞にじっくり耳を傾けてみたり、その曲に込められたアーティストの想いや背景を感じることで、励まされたり、癒されたりすることも少なくありません。
そして、普段からライブに通っていた人にとっては、
「絶対にまた元気になってライブに行くんだ」
という目標が、強いモチベーションになることもあります。
私の場合、子どもの頃からずっとB’zが大好きで、闘病中も毎日のように聴いていました。
その日の気持ちに合わせて曲を選び、気持ちを盛り上げたい時には RUN や ultra soul を流して、リハビリのエアロバイクをこぐこともありました。音に合わせて体を動かすと、不思議と前を向けるんですよね。
そして、病室で過ごす中で、改めて心に深く刺さったのが 「光芒」 という曲でした。
あの曲のメッセージは、まさに闘病の現実と重なる部分が多く、“踏ん張ろう” という気持ちを何度も呼び起こしてくれました。
僕を包みこんで
むなしいBlue
行く道を閉ざそうとする
自分を救う それは自分なのか?
今さら答えはいらない
消えないTruth すべて請けおって
半歩でも 進めるなら
景色は少しずつ変わってゆく光を求め 歩きつづける
君の情熱がいつの日か
誰かにとっての 光となるでしょう
誰かにとっての兆しとなるでしょう
闘病中に襲ってくる苦労や苦悩、辛さなども半歩でも進めるなら景色は少しずつ変わっていく。
光(治す)を求め歩き続ける情熱が、いつの日か(治ったら)、
誰か(病気に苦しむ人達)にとっての光となるでしょう、
誰か(病気に苦しむ人達)にとっての兆しとなるでしょう
とてつもなく、闘病を支えてくれる曲だと思う。
これは、シングル曲でなく、アルバムの曲なのだから、ほん
さらに思い出深いのは、2015年の出来事です。
予定では、最後の治療を終えて数週間後に、B’zが味の素スタジアムでライブを開催するスケジュールでした。私は「絶対に行きたい!」と思い、チケットに応募したら奇跡的に当選。
しかし、治療が長引いてしまい、結局そのライブには行けず…。
正直ものすごくショックでした。
でも、その落ち込みを引きずるのではなく、「よし、治ったら必ず行こう」と気持ちを切り替えました。
むしろ、その悔しさが治療への原動力にもなり、「またライブで思いっきり音を浴びる日が来るんだ」という未来の楽しみが、つらい日々を支える支柱のようになりました。
音楽は、ただの“娯楽”ではありません。
ときには薬以上に心を癒してくれることがあり、
ときには目の前の困難に立ち向かう勇気をくれるものでもあります。
治療中、不安や孤独を抱える瞬間があったら、ぜひ音楽の力に頼ってみてください。
あなたの心にそっと寄り添ってくれる1曲がきっとあると思います。


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