【白血病や癌】命を託す覚悟と信頼─私が出会った主治医の話

コトバ

私ががんと診断されたとき、最初に入院した病院と、実際に治療を受けた病院は別のところでした。
いわゆる「セカンドオピニオン」を受けたことで、最終的に私は、がん専門病院(ガンセンター)で治療を受けることになりました。

そこで出会った主治医の先生。
この先生との出会いが、私の闘病生活においてどれだけ大きな意味を持ったか、言葉では言い尽くせません。

まず驚かされたのは、説明のわかりやすさでした。
難しい医療用語を並べるのではなく、図を描いてくれたり、身近なものにたとえたりして説明してくれるのです。
治療内容や副作用、今後の流れなど、不安でいっぱいの頭でもスッと入ってくるような、そんな丁寧な言葉の選び方をされていました。

また、その声のトーンも忘れられません。
とても落ち着いていて、低くて柔らかい声で話してくれるんです。
説明の内容以上に、その口調に安心感を覚えて、「この先生の言うことを信じて、やってみよう」と自然と思えるようになりました。

私たち患者は、病気そのものだけでなく、見えない不安と常に闘っています。
「もし治らなかったら…」
「この治療で本当に大丈夫なのかな…」
そんな思いがふとよぎることも、正直ありました。

でも、そんなときでも、主治医の先生はいつもどっしりと構えて、私たち患者の心を受け止めてくれる存在でした。
その姿勢は、単に「優しい先生」では片づけられない、本当の意味で“寄り添う”力を持った医師だと感じました。

きっと、日々多くの患者と向き合いながらも、一人ひとりに対して真摯に接しようとされているからこそ、こちらも信頼して、命を預けることができたのだと思います。

私の命を救ってくださったことに、感謝しかありません。
もしあのとき、セカンドオピニオンを選ばなかったら、もしこの先生に出会っていなかったら──
そう思うと、運命のようなものを感じずにはいられません。

命を託すというのは、簡単なようでとても重い決断です。
でも、この主治医の先生と出会えたことで、私は「託してよかった」と心から思える時間を過ごせました。

これから先も、あのときの安心感と信頼の記憶は、私の中でずっと生き続けていくと思います。
本当に、ありがとうございました。

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