【白血病や癌】治療中に見た景色がくれる力──病棟からの眺め

コトバ

入院中、病棟から見える景色というのは、意外にも私にとってはとても大切な存在でした。
白血病の治療を受けるため、抗がん剤を投与し、副作用で血液の数値が下がって免疫が低下すると、無菌病棟から出ることができなくなります。
そのため、面会者の制限もあり、外の世界との接点がどんどん少なくなっていきます。
そこで大切になってくるのは、どうやって気分転換を図るかということ。

私が入院していたガンセンターの病棟には、病棟から見下ろす自動車専用道路がありました。
一見、自然の景色や壮大な眺めが期待されるところかもしれませんが、実際にはその道路が私の心の支えの一つとなっていました。

「えっ?道路?」と思うかもしれませんが、実際にその道路を見ていると、治療を受けている自分が、どんなに辛くても、必ず回復して、自宅へ帰るんだという強い想いに変わったのです。

もちろん、病院の窓からは美しい自然や青空が見えることもあり、その風景も気分転換には欠かせないものでした。
しかし、景色の中で何よりも私を支えたのは、その自動車専用道路で、その道路が自宅に帰る一歩目の道路であって、自宅と繋がっているように感じられたことです。
あの道路を通って、自分の家に帰ることを想像することが、治療中の希望と力となったのです。

一歩ずつ治療を進める中で、どんな些細なことでも、自分を励ます力に変えることができると気づきました。
そのため、見える景色ひとつひとつが、自分の闘病を支える力になるんだということを感じていました。

毎日病院の窓から見える景色は、私にとってただの風景ではなく、回復への希望、前に進む力を与えてくれる存在でした。
治療の合間に、ふと窓の外を眺めることが、気持ちをリフレッシュさせてくれる時間となり、自分の人生に戻る日を信じる気持ちを強くしてくれました。

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